こんにちは!三重県松阪市を拠点に、足場工事や足場材リースを手掛ける株式会社田中工業です。
私たちは日頃から、建設現場や塗装工事など、様々な現場で作業される職人さんたちの安全と作業効率を支える「足場」をご提供しています。
足場と一言でいっても、現場の状況によって様々な種類がありますが、今回はその中でも特に、住宅が密集した都市部や狭い土地での工事に不可欠な「一側足場(ひとかわあしば)」の作業手順について、プロの視点から詳しく解説していきたいと思います。
「足場ってどうやって作られているの?」「安全のためにどんなことをしているの?」といった疑問をお持ちの方や、足場工事のご依頼を検討されている方にも分かりやすくお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも一側足場とは?
作業手順の解説に入る前に、まず「一側足場」がどのような足場なのかを簡単にご紹介します。
一側足場とは、その名の通り、建物の「一側」にだけ建地(たてじ)と呼ばれる支柱を立てて組み上げる足場のことです。
建地が片側にしかないため、通路が非常に狭い場所や、隣の建物との距離が近い現場でも設置が可能です。
主に、戸建て住宅の塗装工事やリフォーム工事などで多く活躍します。
限られたスペースを最大限に活用できる反面、構造上、揺れやすいという側面もあるため、組み立てにはより高度な技術と安全管理が求められます。
安全の土台作り!足場工事を始める前の重要な準備
足場工事は、いきなり現場で組み立てを始めるわけではありません。すべての作業員と近隣住民の皆様の安全を守るため、入念な準備からスタートします。
1. 現地調査と綿密な打ち合わせ
まず最初に行うのが、現場の状況を正確に把握するための「現地調査」です。足場を設置する場所の広さ、地面の状態(コンクリートか、土か)、障害物(電線、給湯器、植木など)の有無、前面道路の交通量などを細かく確認します。
同時にお客様との打ち合わせを重ね、工事の期間や内容、搬入経路、作業時間帯などについてご要望を伺い、最適な足場計画を練り上げていきます。この段階でのコミュニケーションが、後の工事をスムーズに進めるための鍵となります。
2. 足場計画・図面の作成
現地調査で得た情報をもとに、足場の計画図(組立図)を作成します。労働安全衛生規則に基づき、どこに支柱を立て、どのくらいの高さで、どのように建物を支えるか(壁つなぎ)などを具体的に設計します。
私たち株式会社田中工業では、安全性はもちろん、実際に作業される職人さんの使いやすさ(作業効率)も考慮した、緻密な図面作成を徹底しています。
3. 機材の選定と安全な搬入
図面が完成したら、次はその計画に沿って必要な足場部材を準備します。建地、作業床となる踏板(足場板)、手すり、筋交い(すじかい)など、多種多様な部材の中から、現場に最適なものを厳選し、トラックに積み込みます。
現場への搬入時は、交通の妨げにならないよう細心の注意を払い、決められた場所に部材を整理整頓しながら荷下ろしを行います。
一側足場の組み立て全工程
準備が整ったら、いよいよ足場の組み立て作業に入ります。安全確認を徹底しながら、一つひとつの工程を確実に行っていきます。
工程1:敷板・ベースの設置
足場全体の荷重を支え、沈下を防ぐための土台作りから始めます。地面に「敷板(しきいた)」を置き、その上に建地の土台となる「ベース金具(固定ベース)」を設置します。地面が不安定な場合は、しっかりと転圧して地盤を固めるなど、足場が傾かないよう万全の対策を講じます。この最初の工程が、足場全体の安定性を左右する非常に重要なポイントです。
工程2:建地(たてじ)の設置
ベース金具に、足場の柱となる「建地」を垂直に差し込んでいきます。建地同士の間隔は、図面の指示通り正確に保ちます。1層目の建地を立て終えたら、水平方向の部材を取り付け、足場の骨格を形成していきます。
工程3:手すり(腕木)の取り付け
建地に「ブラケット」と呼ばれる部材を取り付け、そこに手すりを固定していきます。これは作業者の墜落を防ぐための命綱ともいえる部分です。1段目、2段目と順番に、確実に固定されているかを確認しながら作業を進めます。
工程4:踏板(足場板)の設置
作業員が実際に歩き、作業を行う床となる「踏板(足場板)」をブラケットの上に敷き詰めていきます。板の間に隙間ができないよう、また、端が浮き上がらないよう、しっかりと固定します。これにより、安全な作業スペースが確保されます。
工程5:筋交い(すじかい)の設置
足場の強度を格段に高めるのが「筋交い」です。建地の間に斜めに取り付けることで、足場の揺れや変形を防ぎます。地震や強風に対する耐性を高めるためにも、図面で定められた位置に正確に取り付けることが義務付けられています。
工程6:壁つなぎの設置
足場の倒壊を防ぐために最も重要な工程の一つが「壁つなぎ」です。建物本体と足場を専用の金具で連結し、足場をがっちりと固定します。これも労働安全衛生規則で設置間隔が厳密に定められており、私たちは基準を遵守し、建物の構造にも配慮しながら最適な箇所に設置します。
工程7:昇降設備の設置
作業員が安全に足場を昇り降りできるよう、階段やはしごを設置します。
工程8:養生シート(メッシュシート)の張り付け
最後に、足場の外側を「養生シート」で覆います。これは、高圧洗浄の水や塗料が近隣に飛散するのを防いだり、工具などの落下物を防止したりする役割があります。また、騒音を軽減する効果もあり、近隣住民の皆様への配慮として欠かせない工程です。
組み立て完了後も、責任者が図面通りに組まれているか、ボルトの締め忘れはないかなどを入念にチェックし、安全が確認されて初めてお客様へお引き渡しとなります。
安全第一の解体手順
工事が無事に完了すれば、足場の役割も終わりです。
しかし、「解体作業は組み立て作業の3倍危険」と言われることもあり、最後まで気を引き締めて作業に臨みます。
解体は、基本的に組み立てと逆の手順で行います。
1. 養生シートの取り外し
2. 上層の踏板や手すりから順に解体
3. 壁つなぎの取り外し
4. 建地の解体
5. 敷板・ベースの撤去
解体した部材は、絶対に上から投げ下ろすことはせず、手渡しやロープ、クレーンなどを使って安全に地上へ下ろします。すべての部材を撤去した後は、現場の清掃を徹底します。ビス一本、ゴミ一つ残さない「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、現場をきれいな状態に戻してすべての作業が完了です。
まとめ:安全で高品質な足場工事は株式会社田中工業へ
今回は、一側足場の作業手順について詳しく解説しました。
その一つひとつの工程には、作業員の安全を守り、工事の品質を支えるための専門的な知識と技術、そして何よりも徹底した安全管理が詰め込まれています。
株式会社田中工業では、豊富な経験と実績を持つ職人が、計画から組み立て、解体、そして後片付けに至るまで、すべての工程に責任を持って対応いたします。
お客様と職人さんの双方にとって「安全で使いやすい足場」をご提供することをお約束します。
三重県松阪市をはじめ、周辺地域での足場工事に関するご相談やお見積もりは、ぜひお気軽に株式会社田中工業までお問い合わせください。


